最強ミックスフルーツ
「よくわかんねー
ただそれは林檎だけの気持ちで
そいつがどう思ってるのか
わかんないんだろ?」


図星・・・・・


私は失笑した。


「正直・・・そうなんだけど。
うちは言ったこと
まげるタイプじゃないでしょ?」



「確かに・・・・
そうだな・・・・。」



「徹は徹の道を見つけてさ……
うちの誇れる仲間だもん。
あの頃が輝いていたから
今が辛いのかもしれない・・・・
ちょっと遅いけど
おかあさんが死んで、うちやっと
大人になりかけてんのかも知れない・・・・」



徹の手を握った。


「誇りだよ、徹・・・・。
徹との思い出は最高だもん。
大好きな田舎に必ずいるのは、
じゃれあって過ごしてきた徹だった。
うちが思い出す楽しい思い出には
徹がいる・・・。
大好きだよ・・・・・・。」



はるかに超した私の背の徹を
抱きしめた。



「林田 林檎・・・・・
おまえも俺の誇りだからな。
負けんなよ。」



徹も私の身体をぎゅうっと抱いた。


「林檎の匂い・・・・・」

徹はそう言って
私から離れて歩き出した。


涙で徹が見えなくなった・・・・・・。
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