最強ミックスフルーツ
出窓には

理輝を挟んで微笑む
父親と多分母親



「理輝、スゴイ可愛い~~~」



「愛くるしいおぼっちゃんでした。」
佐々木が目を細めた。


「ご両親はそれは、それは
愛情をそそいでいらっしゃいました。
このころが一番幸せでいらっしゃいました。
奥様は、仕事がない時は
肩時も理輝さまのおそばを離れませんでした。
旦那さまは
帰ってくると体を使って
理輝さまとじゃれていました。
私はあの頃が一番幸せでした。
今の旦那さまが気の毒で悲しくなります。
ぼっちゃまのこと
あんなに愛していらしたのに
ぼっちゃまに嫌われて・・・・
どんなにお辛いか・・・・・」

佐々木さんがハンカチで
目を押さえた。



「理輝とおとうさまは
心を開いて話し合わなければ。」



「旦那さまも勇気を出して
お話するべきです。
ぼっちゃまも大人になられました。
話の事情がきっと見えてくると
思います。」



佐々木さんは
頭を下げて部屋を出て行った。
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