最強ミックスフルーツ
「うちもおとうさんが嫌いだった
嫌い…じゃないな
情けなくて軽蔑してた。」



「軽蔑か・・・・」



「何回も話たけど
心の中を感じれば、そのわだかまりは
不思議に消えていく・・・・
おとうさんを憎んでた自分が
おとうさんをわかってあげたとき
それからうちは変わって行った気がする。
今は本当によかったと思ってる。
おとうさんが誇りだから
誇りの両親の愛の結晶の
自分が大好きだよ。
私は、自分が好き・・・・
だから幸せになりたい。
そう思えばいろんなことが
クリアできるんだ。」




「誇り・・・・・
自分を好きになる・・・
今の俺は、親父を軽蔑して憎んで
自分が大嫌いだ・・・・」



「でも変わりたい…
幸せになりたい……そう思ってる。」



私は理輝の手を握る。



「おとうさんの話を穏やかに
聞いてあげよう……
おとうさんの胸の痛みも…
春妃さんのことも何かわかるかも知れない。」



「とりみだしそうになっても
おまえがいれば大丈夫だ。
だからきてもらったんだ。
都合いいことばっか言ってごめん。」



私は首を振った。

「理輝に必要とされている
自分がまた好きになったよ。」
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