最強ミックスフルーツ
「俺は、正直緊張した。
あんなに緊張したのはめずらしいよ。
相手が春妃だからだな。」


「私は素直に演じれたわ。
上手だったでしょ?」


「うまかったな~
女優さんになれるぞ。」



「坂本さんも言ったけど
イヤ、イヤ…好きじゃない人に
あんなことしたくないもん。」



春妃の言葉に一瞬首をかしげたが



「愛がなきゃあんなことや
こんなことできないわ。
おじさまは、平気?」


「仕事だもん、それで生きてるんだ。
違う自分になれて楽しいよ。
たとえば娘だと思ってる春妃と
恋人のように演じられて………」



「娘ね~いつまでも子供扱いで
私ももうだいぶ大人になったのに。」


「理輝とは……続いてるのか?」



「うん……。
理輝をとりあげられたら困るもん。」



「愛してるのか?」



春妃は俺の首に巻きついて
答えなかった。
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