最強ミックスフルーツ
理輝がカバンを持ってくれた。


「先生、ちょっと玄関まで。」



「そうしてあげてくれ。」

私の様子に先生はそう言った。


みんなが心配そうに私を見た。
その視線の中、震えながら教室を
後にした。



「大丈夫か?」



「覚悟してたのに……」



「覚悟してたってさ…
そんな落ち着いてなんかいられないよ。」



「どうしよう…理輝…
おとうさんが…まだ…もっと話があったの。」



理輝が私の肩を抱いた。


「次は俺がおまえを抱きしめてやる。」


玄関の靴箱のまえで
理輝に強く抱きしめられて
私は体ごと理輝に預けて
不安な気持ちを落ち着かせた。
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