最強ミックスフルーツ
父の周りには家族が集まっていた。

「林檎、来たか。」
祖父が優しく声をかけた。

桃と来地は父の体に顔を伏していた。
私は父の前に進んだ。


「声をかけてやって。
林檎を待ってるのよ。」
祖母が私の手をとって

父の頬にくっつけた。



「おとうさん!!おとうさん!!」


父の目は静かに開く



酸素マスクを自分で外した。


「り…りんごよかった
間に合ってくれた…
おとうさん…時間だ…から……」



「やだよ、おとうさん」


「チビ達のことそれから
おじいちゃんおばあちゃん・・
よろしくな。
それから…林檎…ごめんな……」


息切れがひどい
限界が近づいている……


「おまえに…なんでも…頼んで…
ごめん…おかあさんのそばで
おまえをみまも…ってる…
ごめん…林檎……」                               
「おとうさん…
大好きだよ…うちの誇り…
おとうさんとおかあさんの子供で
よかったよ。」

涙ぐみながら必死に伝えた。
これが私の送る言葉……


「最高の…最高嬉しいよ…
おとうさん…も宝物だったよ…
三つ…仲良く…助け合って…
おかあさんと…見てる……」

父の目から涙が流れて・・・・
母のそばに旅立って言った。
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