最強ミックスフルーツ
人の笑い声で目が覚めた。


「!?」
男の子が立っていた。


「ねぇ?なんでこんなところで
寝ているの?
それも寝言言ってたよ。
『桃、ライチおいで~』って。
果物の夢?」

恥ずかしさで頬が熱くなった。

その子は顔がまっくろだった。
田舎の友人の隆志を思い出した。


「あ、入学式の時間間違えたから
ここで時間つぶしてて
先輩ですか?」


「いや~俺も新入生。」


「じゃ、もう時間?」


「いや。俺はサッカー部の部室に用が
あったから早目に来たんだ。」




そっか・・・・
まだか・・・・


「顔真っ赤だけど日焼けした?」


「え!?」


「なんかリンゴみたい~」


だって林檎だもん。


「じゃあな~」
その子が去って行って

私はまた寝転んだ。





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