優しい悪魔−マキコと和夫−

あわてて服を見つけて着ると、部屋を出て探した。

和夫は廊下の窓から外を見ると、上着を取りに行き、玄関からとびだした。

雪が降っている。
向こうにマキコを見つけた。

薄着のまま、フラフラと歩いている。

和夫は走って、なんとか追いついた。

着ていた上着をマキコにかぶせ、

「マキコ、
ごめん! ごめん!」

そう言って、背中から抱きしめた。


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