優しい悪魔−マキコと和夫−

マキコを部屋に連れて行くと毛布をかぶせ、もう一度あやまった。

「マキコ、ごめん。温かいミルク、飲まないか?」

何も言わないマキコに、
「持ってくるよ。」

そう言って和夫は、リビングに向かった。

待っていた二人に何か言うと、ミルクを温めて持っていく。

部屋に入ると、マキコがカバンに荷物を詰めていた。

「何やってるの?」

あわてて和夫が聞くと、
突き放すように、マキコが言った。

「帰るのよ!」


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