優しい悪魔−マキコと和夫−

「まだ二日あるのに、なんで帰るの?」

マキコは無視した。

和夫は何度か問いかけて、無駄だと悟ると、こう言ったのだ。

「じゃー今夜は、京子ちゃんに相手をしてもらおうかな。」

バッと、マキコが振り返った。

マキコの見開いた目を見て、和夫はニッと笑った。

「冗談だよ。」

そう言うと、カップを置いて出て行った。


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