優しい悪魔−マキコと和夫−
マキコがボウゼンとしていると、京子が部屋に入って来る。
「京子、すぐに帰ろう!」
と言ったが、京子はのんきだった。
「えー、なんで?」
マキコは、口が固まってしまう。
夕べの事を話せなかった。
「早く食べて、すべりに行こうよ。」
仕方なく、みんなと朝食をとった。
(京子をおいて、…帰れない。)
マキコは胸が痛くて、泣きたかった。
けれど今は、目の前の悪魔から、自分と京子の身を守らないといけない。