優しい悪魔−マキコと和夫−
第二章 新学期
1,和 夫
冬休みが終ると、マキコは神戸の下宿先のアパートへ戻ってきた。
カギを回すと開いている。
えっと驚いて、そうっとドアを開けて中を見ると、和夫が“お帰り”と笑った。
マキコは硬直して、つっ立っている。
やっと声が出た。
「あ、あんた、カギ!
なんで? まさか。」
「さーね。」
和夫は笑って、言った。
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1,和 夫