優しい悪魔−マキコと和夫−
明るくなった時に、おまわりさんが来て“どうしたのか”と聞かれた。
「死にたいんです。」
正直に答えたが、補導され、両親が迎えに来ただけだ。
誰にも、和夫の苦しみはわからなかった。
誰も和夫を助けてはくれなかったのだ。
それから和夫の精神世界は、複雑骨折したように更にひどくなった。
和夫は、毎晩ネットを見ている。
(もっと刺激的なモノを。もっと、もっと……。でないと眠れない。)
病院からは睡眠薬をもらっていた。