優しい悪魔−マキコと和夫−
叔母の写真は破れ、写真立ては変形して曲がってしまった。
和夫はそれを床にたたきつけると、今度は靴で踏みつけた。
「和夫!」
和夫はふり向くと、マキコと廊下で立ち止まっている両親を見つけた。
代わりに、マキコに叫んだ。
「マキコ!
オレはどうすればよかったんだ!
中学の時に死ねば良かったのか?
連続レイプ犯か殺人鬼になって、死刑になればよかったのか?
答えろ、マキコ!」
「和夫、あんたは悪くない。
悪くない!」