狐と兎
「キルシュ! 歳は16!」
「…………そう」


ハルトはただ興味なさそうな返事をするだけでした。

それを見たキルシュは怒ると思いきや、その様子に更に喜びました。

どうやらそんな冷めた様子も素敵だと思っているようです。


「貴方の名前は?」


ハルトは一瞬ビックリしたような表情をしました。

まるで“知らなかったの?”と言わんばかりでした。


「ハルト。君よりは年上だよ。僕は18だから」


何故驚かれたのかは分かりませんでしたが、

キルシュは更に嬉しくなり何度もハルトの名を呼びました。
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