狐と兎
「ハルト君、まさかとは思うけど……」
「…………?」
「キルシュにちゃんとした事説明していないね?」


オルヒデにそう言われたハルトは、何故か不思議そうな表情をしました。

その様子にオルヒデは大きな溜息を1つ吐きました。


「キルシュ、カトラさんって言うのは彼の祖父だ」


オルヒデのその言葉にキルシュは目を大きくさせました。

それと同時にだからハルトが“ジジ様”と呼ぶのだと納得出来ました。

キルシュはまさか恋人の身内に会う事になろうとは思ってもいなかったのでしょう。

大きな不安に飲み込まれてしまいました。

これで下手をすればハルトとは一緒にいられなくなる可能性があるからです。
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