狐と兎
その先へ
ハルトがいなくなって2日後。キルシュは相変わらず抜け殻のようでした。
誰が何を話しかけても、キルシュは適当に受け流すだけでした。
初めて見せるキルシュのその様子に両親は不安を覚えました。
「キルシュ? 失恋しちゃったのは分かるけれど、いい加減立ち直りなさい?」
シューテがそう言ってもキルシュは“うん”と気力なく言うだけです。
キルシュ自身も立ち直らなければならないと分かっている筈でした。
ですがハルトを失ったショックはやはり覚悟をしていたとはいえ、大きかったようです。
「もう会えないって、本当に辛いよねえ……」
独り言のように呟きながら、キルシュは青々と広がる眩しい空を眺めるだけでした。
あの時降った雪は昨日の内に全て溶けてしまっていました。
誰が何を話しかけても、キルシュは適当に受け流すだけでした。
初めて見せるキルシュのその様子に両親は不安を覚えました。
「キルシュ? 失恋しちゃったのは分かるけれど、いい加減立ち直りなさい?」
シューテがそう言ってもキルシュは“うん”と気力なく言うだけです。
キルシュ自身も立ち直らなければならないと分かっている筈でした。
ですがハルトを失ったショックはやはり覚悟をしていたとはいえ、大きかったようです。
「もう会えないって、本当に辛いよねえ……」
独り言のように呟きながら、キルシュは青々と広がる眩しい空を眺めるだけでした。
あの時降った雪は昨日の内に全て溶けてしまっていました。