笑いのわら人形
「じゃ~やってみましょうよ!」
「好きなとこに、思いっきりどうぞ!」

そう言われても、刺すものが無い。

「あ、これでいいかな」
と、近くにあった
安全ピンのピンを外して
刺そうとした瞬間

「あぁ~!?」
「え~!マジ?信じらんない!」
「なに、やってるんスか!」
と、ナッちゃんが怒り出した。

「え?え?」
戸惑う歩

「だ~か~ら~!」
「なに持ってるんスか!」
「違うでしょ~!」

「え?安全ピン・・・だめ?」

「あのですね」
「わら人形と言えば、決まってるでしょ」
「昔から!」
「五寸クギっスよ!」
得意げに説明をする、ナッちゃん。

うつむいて聞いていた歩が言った。

「そんなモン!あるか~!」
「どこに、若い女性の家に、五寸クギ
完備しているの!」

「え?昔は普通でしたよ?」
「こう、渋く錆びた感じのクギが、
またいいんスよね~!」

「・・・クギフェチ?」

「こだわりっス!」

「はぁ?」

「あゆみさん、こだわり無いっスか?」

「え?、そ、そんなに無いかな・・・」
その言葉に

ナッちゃんに、
遠い目をしながら「フッ」と笑われた様に
感じて「カ~ッ!」と顔を赤らめる、歩。














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