笑いのわら人形
買ってきた五寸クギを見せながら

「どう?うれしい?」

「はいっス!」

「ドキドキする?」

「するっス!」

「ワクワクした?」

「したっス!」

「そんな感じなのよ」

「なにがです?」

「だから」
「恋愛というか、彼氏がいると言うか」
「すこ~し、違うけど・・・」

「早く、クギ打ちましょうよ!」
「ここでいいっスから!」
「セーフティーモードでいいスから!」

「落ち着きなさいよ」
「これ、買ってくるのが
いかに大変だったか・・・」

そんな事より
もう、ボールを投げてもらいたい
犬のような、興奮ぶりのナッちゃん。

「どれで打つんスか?」

「どれって?」

「ですから、クギを打つ槌」

「え?金槌?」

「はい、木槌でもいいっスよ」

「ないよ?」

「へ?」

「買ってないもん!」

「またまた~!驚かそうとして~」

「・・・いや、本当に」

「・・・・・」
「あのですね、あゆみさん・・・」

もう「文句タラタラモード」にシフト
しようとしている、ナッちゃん。

それを感じる取る、歩。

「ですから・・・」
言いかけるナッちゃんに

「おあずけ!」

「へ?」

おもわず口に出る、歩。


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