笑いのわら人形
「・・・・・!」
「・・う・・げ!・・・」
「あゆ・・・みさ・・」

酔いつぶれて寝ていた歩が、何かの声で
起きた。

「え?なに?」

「ひ~~~~!!!!」
「あゆみさ~ん!!!」
ナッちゃんの悲鳴。

「う~?」

まだよいの覚めない、歩。

「うわ、寒!」

下着姿で寝ていた自分に気が付く。

「あゆみさ~ん!たす、助けて!」

「は~?」

声の感じる方向を見るが暗くて解らない。

よろよろと起き上がると、電気の紐を
引っ張って電気をつけた。

声のするほうを見ると、なんと
ナッちゃんが動いている!

「え?」

シバシバする目をこすってよく見た。

動いてるのではなく、引っ張られていた。

フクちゃんがナッちゃんの足の端をくわえて
ケージに持ちかえろうとしていた・・・。

「ヒ~!巣材にされる~!」
断末魔に近いナッちゃんの悲鳴。

「良い物見つけた~!」的なフクちゃん。

状況が今一、理解できない、歩。

「あ、寒!おしっこ!」

トイレに去っていく後姿に

「オイ!オイ!」
と冷静に突っ込みながら
必死のナッちゃん。

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