Once In a Lifetime Chance
「海斗まで?信じらんない。昨日も」
「黙れ!!」
玲茄さんが喋り終わる前に海斗が口を開いた。
「いやあああ。海斗おおお。やだやだやだ。」
気が抜けたように海斗に抱きついた玲茄さんの
瞳からは涙があふれていた。
海斗の彼女だけある。玲茄さんは大きな瞳に
海斗と同じくらいの身長。髪の毛がきれい。
そんなことをボーっと考えてるうちに
二人はキスしてた。そのときの海斗の
幸せそうな横顔。
かなわない
一瞬でそう思った。
そんな二人を止められなかった私も
【私が海斗の彼女】って言えなかった私も
馬鹿だ。情けない。
二人の終わらないキス。
深くなっていくキス。
やめて やめて
そんな声で海斗を呼ばないで。
やめて 海斗
私以外の女の子の体をそんなに触らないで。
でも何もできない。
だって海斗から【好き】って
言ってくれたこと
無かったしね・・・