愛(殺)さなくてはならない人
一睡もせず夫も会社を休み朝からまた探しに出かけた。 
 
〃私も探しに行きたい〃夫に告げたが夫は 
『勇太が帰って来たらかわいそうだから、お前は家で待っていてくれ』 
そう言って私を留まらせた。 
 
早く勇太をこの胸に…この手に抱きしめてあげたい… 
 
姑も疲れ果てている。 
私は疲れなんて全く感じなかった。 
 
ただ勇太だけを思い勇太の帰りを待った 
 
(ピンポン) 
 
チャイムが鳴った。 
期待を膨らませドアを開けた。 
 
昨日の警察だ。
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