愛(殺)さなくてはならない人
私と佑介は暫く手を繋いで歩いていた。

手が汗ばみ緊張しているのが伝わって来る。

そうか…佑介にとって私は初めて付き合う〃女〃になるんだ。

自分が殺した子供の母親が最初で最後の女になるなんて…。

佑介、楽しい恋をしましょうね。

私を心から愛してほしい。

私もあなたを精一杯愛してあげる。

佑介が照れ笑いをしながら私を見ている。

私はギュッと手を握り返した。
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