愛(殺)さなくてはならない人
佑介は優しく何度も何度も私を抱いた。

私達は結ばれたのだ。佑介は私を強く抱きしめて言ってた

『玲子、俺は君と結婚したい。一緒に暮らさないか?』

私は一瞬躊躇ったが佑介に頷いた

『私も佑介と一緒に居たい』

佑介はさらに私を強く抱きしめた。

私は抱きしめられた腕の中で勇太の死に顔をふと思いだしていた。

(大丈夫よ、勇太。ママはあなたを忘れたりしない…)


私は佑介の身体に手を回し胸に顔を埋めていた。

母親の顔に戻った私の顔を見られないために…


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