愛(殺)さなくてはならない人
『佑介、佑介が8年間も自宅に引きこもった訳を聞かせてくれる?』

佑介の顔から笑顔が消えた。
暫く沈黙した後ゆっくりと話し出した

『俺は…12歳の時に殺人犯になったんだ。相手はまだ5歳の顔見知りの男の子だった…あの頃の俺は中学受験で勉強、勉強の毎日だったんだ』

私の胸がキリキリと痛み耳たぶが熱をもってきた。

(今は佑介の話を聞かなくては…)

私は感情を抑え黙って聞いていた。


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