愛(殺)さなくてはならない人
『分からない…反論したかどうかもよく覚えてないんだ。あの頃の俺は病んでた…今思うと恐ろしいよ。何で殺してしまったんだろう…』


何で殺したか分からない?
恐ろしい?
ふざけないでよ…

私の宝物を奪ったんじゃない!

私はグッと堪えた。

なるべく目を合わせずに佑介の話を聞いた。
怒りに溢れた目を見られる訳にはいかない。
佑介あなたは、消せない過去を抱えながらでも生きている。

生きてるじゃない!

勇太は居ない!

居ない、居ないのよ…
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