愛(殺)さなくてはならない人
綺麗に掃除されている。

きっと姑と夫がいつも会いに来ているのだろう…

(勇太、ママよ…)

私は手を合わせた。

佑介は勇太の墓石の前に正座をしている。

手を付き頭を地面に擦りつけ

『ゆうちゃん、ごめんよ!痛い思いさせて、怖い思いさせて本当にごめんよ。遅くなったけど…謝りに来たんだ。ごめんね、ごめんなさい』

そんな事したって勇太が戻る訳じゃない…

二度と戻らないの。

私はそう思いながら佑介を見下ろしていた。

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