愛(殺)さなくてはならない人
新しい門出
佑介を最後まで見送りその足で私は勇太のお墓参りへ行った。

すると懐かしい背中が目に飛び込んで来た。
夫だ…。

私はびっくりさせないように声をかけた

『パパ…お久しぶりね、玲子です』

夫は変わらぬ優しい笑顔で振り向いた。

離婚してから一度も会っていなかった。

久しぶりに親子三人揃った事がたまらなく嬉しかった。

夫も同じ気持ちらしい。

きっと勇太が導いてくれたに違いない。

私はそう感じていた。

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