愛(殺)さなくてはならない人
沈黙・息苦しい部屋の中で無性にも時間だけが過ぎていく。


張り裂けてしまいそうな心が涙になって溢れそうになる。


勇太の居ない初めての夜が何事もなく明けていく。


『ママ、おはよう。今日パンの日?』


目を擦りながら勇太が今にもドアを開けそうで私は何度も振り返る…。


でもそこに勇太の姿が現れない。


勇太…。
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