‡黒兎の仕事‡
(‥‥‥は?)
扉の向こうの景色を見て唖然とする。
歩美が目にする扉の向こう‥
(なに‥これ‥‥。え‥?グラウンド‥?)
そこにはグラウンド。
そう、学校にあるグラウンド。
夜のはずなのに、そこは昼間だった。
歩美はすぐに後ろを振り返り、扉に手をかけようとする。
だがそこに扉はなかった。
(‥は?!え?!)
扉の代わりに一人の男。
歩美が追い掛けた、黒い服の男。
その男は不思議にも兎のような黒い耳をつけ、黒い髪に黒い服。
全身黒で纏っていた。
見知らぬ男。
ましてや先生などではなかった。
(‥誰?)