恋するレンズのむこう
陸はあたしと目も合わせてはくれなかった



気が付けばあたしの頬には涙が流れてる


なんで傷ついているのだろう…


自分が自分で分からない

自分が自分じゃないみたい


空を見上げれば星が光る夜空があたし達を包み込んでいる。


「梓の所に…いったら?」


また背を向けたまま陸が言う。


『そ…だね』


あたしは体の方向を変えて来た道を帰った。





そして、あたしは梓がいる病室の前にいた。


先程と変わらず、病室のドアは開きっ放し。


あたしはゆっくりベッドに近付きカーテンを開けた。

そこには…

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