恋するレンズのむこう
混んできた車内で彼女の姿を見失ってしまったけどそれでも、目を閉じればまだすぐそこに彼女が真直ぐ立っている気がした。





それから、数ヶ月経った日。


俺は無事に志望校に合格して、充実した毎日を送っていた。


高校に入学してしばらくすると雑誌の読者モデルにスカウトされて休日はほとんど撮影だった。


もしかしたら、彼女も俺を見てるかもしれない・・・


そんな気持ちのおかげでキツイ撮影のスケジュールも乗り越えられた。


そして、しばらくしてすぐに兄貴の梓に彼女ができた、ときいた。


梓は真面目であまり目立つようなタイプじゃないから彼女ができたときいた時、どんな奴か気になった。


そして、ついに見た。


駅前の人ごみの中を梓の隣で嬉しそうに微笑み、歩く有香の姿を。


すぐに、有香だって分かった。


受験のあの日からずっと好きだったから―・・・



そしてショックだった




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