恋するレンズのむこう
もし、俺にその気持ちを向けてくれるなら


俺はこんな風に1人ぼっちになんてしないよ。


有香が悲しくて泣きそうなときはこんな風に抱きしめてあげるのに。


傷つきそうなときは守ってあげるのに。


その時強く握り締めた有香の手は本当に小さくて。


俺はこんな小さな手をもつコイツのおかげであの日、不安や緊張から救われたんだ。


そう思うと愛しく思えて、その手をなかなか離せなかった。


それから水族館の中を歩いている間、ずっと彼女の手を握っていた。


しばらく歩いていると、目の前にお土産屋があった。


そうだ、有香に何かあげよう。


俺は昔から結構サプライズでプレゼントするのが好きで、相手の驚く顔とかその後の喜ぶ顔を見るのが好きだった。


有香の驚いた顔が見てみたい

そして、その後の喜んだ顔も―・・・
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