恋するレンズのむこう
梓の唇の熱から梓からの愛を感じた。


こんな風にあたしは梓に愛されている。


あたしがこれ以上、求めるものなんてないはず。


あたしはこれで幸せなはずなんだ。




『梓・・』


「有香、あいしてる」


・・・あの日と同じ。


海の日で言われた言葉。


心の中に甘く溶けていく。


『あたしも・・・大好き』


梓のぬくもりを確かめるように


自分の気持ちを確かめるように


あたしは強く、梓を抱きしめた。







そのときだった。

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