恋するレンズのむこう
でもすぐに彼の目線は逸らされ、あたしはまた人込みの中に埋もれていった。


「有香ーっ大丈夫?」


気が付いたら隣に凛がいた。


「ねっ誰がいたか見えた!?」


『…片山陸がいた』


「え!?すごいじゃん!いいなあ、あたしも見たい~」


『凛って片山陸好きなの?』


凛はううん、と首を横に振った。


良かった…安心する自分がいた。


凛はあたしと梓が付き合っていた事は知っている。


でも梓=片山陸とは分からないと思う。


梓は本当の自分を隠していたから。


でも言っても良いよね?梓の事…凛に。


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