恋するレンズのむこう


ピーピー


梓の体のあちらこちらに繋がっている機械からの音で病室内はかなりの緊張の空間


ベッドの上に横たわっている梓の身体はぴくりとも動かずただ静かに眠っている。


「急に動いたから肺が刺激を受けたのでしょう。すぐに目も覚めると思いますよ」


そう、お医者さんは言っていた。


とは言っても、やっぱり心配。


それに、あたしのせいで梓が倒れたわけだから・・・


ベッドの上に寝ている梓の顔が涙でよく見えなくなった時だった。


「こんな時に話すことじゃないかもだけど」と言って、陸があたしに体を向けた。


「お前は誰が好きなわけ?」


ドキン。


『・・・』


あたしは、



陸が好き。


でもね?
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