恋するレンズのむこう
「じゃんっ、購買でまだ売ってたから買ってきたの♪」


『あ~!プリンっ』


うちの学校の購買名物、ミルクプリン!
おいしくて他校からも人気の商品で、もちろん校内でも人気。
お昼にはすでに売り切れてるって噂。

あたしだって買うどころか滅多に見ないのに。


でも、今は昼休みだよ?
普通だったら売り切れているはずなのに。


「ふう~」


あ。

もしかして、凛あたしのために走って買いにいった?


凛の買ってきたミルクプリンは1つだけ。
そのミルクプリンは今、あたしに差し出されている。


『あたしに?』


その質問に、にっこり笑って大きくうなずく凛。


凛…きっとあたしを元気付けようとしてくれたんだな。
よく聞くと凛の息が荒い。
よく見ると首にうっすら汗をかいてる。


…凛、ありがと。
でもバレバレだよ。


『ふふ、ありがと』


「うん…?なんで笑ってる?」


『いや、別に~』


「ヘンなの~」と言う凛。
でもかすかに笑っているのは気のせい?


…本当に、ありがと。凛…。
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