恋するレンズのむこう
ドカッ


鈍い音がしてあたしはぎゅっと目を閉じた。


そっと、目を開けてみた。


さっきまであたしを引っ張ってた手はもうあたしの腕をつかんではいなかった。

その代わり、その場に倒れていて


目の前にもう1人の誰かがいた。


暗くて、顔は見えない。


でもなんだかあたしにはその人が誰か分かった気がする。


『・・・あ、・・ず・・・・さ?』


恐怖で声が震えてるのが自分でも分かった。


その人はなにも話してくれない。


一瞬、梓じゃないのかもって思った。

不安になった。


でも・・・


ぐいっ
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