恋するレンズのむこう
聞き間違いだと思った。


さっきの甘いキス、あたしを呼ぶ声。


それが本当だって思った。


別れよう、なんて嘘。


でも冗談キツイよ?



そんな風に思いながらあたしは立ったまま。


動けなかった。


君が優しく、悲しい顔をするんだもん。


なんで?


なんでそんな顔をしたの?



・・・誰が君にそんな切ない顔をさせたの?


「愛してる・・・」



そう耳元で呟かれた。

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