恋するレンズのむこう
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「有香~!!なんで昨日返信してくれなかったの?!」
心配したんだから、という凛の言葉であたしは携帯を開いた。
『・・・あ』
「・・・何?携帯見てなかったの?」
そして、凛がニヤリと笑う。
「何か、あったんだ」
凛は「何か」と特に強く言う。
あたしも一瞬にして顔の熱が上がる。
『何かって・・・何も・・・』
「嘘だね~」
凛は目を逸らしたあたしの顔を覗き込んで不敵です、という口調で言った。
・・・ああぁ。
あたし、凛にはやっぱり敵わないんだ。