恋するレンズのむこう

***


「有香~!!なんで昨日返信してくれなかったの?!」


心配したんだから、という凛の言葉であたしは携帯を開いた。


『・・・あ』


「・・・何?携帯見てなかったの?」


そして、凛がニヤリと笑う。


「何か、あったんだ」


凛は「何か」と特に強く言う。

あたしも一瞬にして顔の熱が上がる。


『何かって・・・何も・・・』


「嘘だね~」


凛は目を逸らしたあたしの顔を覗き込んで不敵です、という口調で言った。


・・・ああぁ。

あたし、凛にはやっぱり敵わないんだ。
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