恋するレンズのむこう
凛は何かを思い出したらしく今度は真剣な顔をしてあたしの目を見た。


「なんか、駿は高3なんだけど片山陸も高3らしいよ~」


・・・え?

普通だったら大学生だよね?


「詳しくは知らないけどやっぱ忙しいから出席日数足りなかったのかもね?留年したんじゃない?」


あたしの中に生まれた謎は凛の言葉で少し薄れた。

でも、なんだか驚いた。


梓の夢は弁護士だった。


そのためには毎日ちゃんと学校に通って、大学に行くんだって言ってたのに。


留年したなんて・・・。


「でもさ、梓先輩も変わったよね。あんなに真面目だったのに、今じゃモデルとかやってるんだもん」


『うん・・・』


心に引っかかるんだけど。

あたしはあまり気にしないことにした。


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