恋するレンズのむこう
さっきまで遠くに聞こえた声が急に近くで聞こえたからあたしは驚いて起きてしまった。


「・・・あ、梓・・」


あたしの座っている前に立っていたのは梓。


こうやって見るともともと大きい背がますます大きく感じる。


「あ、ごめん。驚かした?」


『え、あ・・・うん。でも、大丈夫』


驚いたせいか、

目の前にいる人のせいか、


あたしの鼓動は激しく脈打っていた。


一度逸らした視線をまた彼に向けると彼はなんだか意地悪な笑みでこちらを見ていた。


『何?』


「いや、さっきの寝顔すっげえ可愛かったから」


少し頬を赤く染めながら言う彼から出てきた言葉にあたしも頬を染めた。


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