恋するレンズのむこう
でもそれからあたしと梓を繋ぐ手は離れなかった。


イルカショーの時も。


水族館内を歩く時も。


でも途中、梓が「あ」と言って手を離した。


「悪い、マネージャーに電話してくる」


『そっか、分かった』


そう言って携帯片手にどこかへ行った梓。


辺りをぐるりと見回す。

あ、お土産屋さん。


梓が来るまで見てようかな?


お土産やさんを見ていると目に入ったイルカのストラップ。


こんなの水族館ならどこにでもあるよ?


と言う人もいるかもしれないけどあたしは買う事にした。


この幸せを忘れないように…。


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