恋するレンズのむこう
そして、連れてこられた海。


あたしの中にある懐かしさと不安は最高潮。


ドキドキ


「俺さ一度お前とここ来たかったんだ」


ドクン


あれ?

いまなんて?


『来たかった…って来たじゃない』


「え?」


珍しく驚いた顔の梓を見てあたしはなんだか複雑。


『あたし達が…別れた場所…』


言ってるうちに泣きたくなった。


あの日の悲しみを思い出して…?


それとも、


梓があたし達の思い出を忘れていたから…?


なんでこんなに悲しいのか分からないよ…


なのに涙が止まんないんだ…
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