恋するレンズのむこう
でもあたし、このストラップ知ってるんだもん…

『梓…これ…』


「さっきマネージャーに電話するとか言ったけど本当はコレ買ってたんだ」


驚いただろ?と梓の目が意地悪そうに笑う。


『…梓…』


水色に光るイルカはまるであの日拾ったガラスみたい…


『じゃあ今度は梓が目閉じて手出して?』


今度は梓が驚く番だよ?

梓は「え」と小さく言ってから言う通りにしてくれた。


あたしは鞄から水色の袋を取り出す。


『目開けていいよ』


梓が驚くのをわくわくしながら待つ。


ゆっくり、目を開けた梓はますます目を見開いて…
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