恋するレンズのむこう

***



『ふう~』


「何ニヤニヤしてるの?」


『え、ニヤニヤなんか…』


「してたよ。思いっきり…」


あたしが自分の携帯電話を見る度に凛が鋭い視線を向けた。


いや、正しくはあたしが携帯に着いてる水色のイルカのストラップを見たら…だけど。



「そのストラップどうしたの?」


『え?これ?』


「もしかして梓先輩から?」


『!』


一気に熱くなるあたしの顔。


あたしの反応を見て凛がはは~んと笑った。


「図星?」


『…うん』


「いやだね~」とおばさんぽく言う凛。
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