恋するレンズのむこう
「良かったね」


『うんっ』


あたしは元気に返事をした。


「はあー、良かったねえ。でも、次体育だよ?」




…体育…。


運動が苦手なあたしにとって地獄の時間。


がっくり落とした肩に凛が手を置いて「どんまい」と笑った。


あたしも苦笑い。


こうなったら苦笑いしかないもん。




ピピーっ


体育館にホイッスルの音が鳴り響く。


今日はバスケットボール。


運動音痴のあたしはボールを追いかけるというよりチームの邪魔をしないようにする。


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