恋するレンズのむこう
放課後。
歩きにくい足でもゆっくり歩いてやっとたどり着いた近所の病院。
近所の病院、といってもかなり大きくて中も綺麗な新しい病院。
病院の中に入り、受付で診察券を渡す。
看護士さんは「しばらく、そちらでお待ち下さい」と微笑んでくれた。
・・・暇だな。
看護士さんに言われて座ってるけどやっぱりつまらない。
そう思っていた時だった。
ふと、向けた視線の先に知ってる顔が見えた。
廊下の少し向こう側にいた彼。
・・・え!?
『梓?』
病院の中だから小さく呟く。