恋するレンズのむこう
追いかけようとしたけど、この足ではなかなか前に進めない。


そしてすぐに看護士さんに呼ばれ、診察室へ案内された。



***

『ありがとうございました』


一言、お医者さんに言ってからあたしは診察室を出た。


足は軽い捻挫みたいなものだけどしばらくは安静にしておくように、との事。



でも今は捻挫とかはっきり言ってどうでも良かった。


だって梓に会えたんだもん。


会いたい、って思ってた人に会えたんだもん。


喋ってはいないけど、会えた、というか見えた。


でもそれだけでも本当に幸せなんだもん。


『梓、まだいるかな~』


ちょっと梓を探してみよう。
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