恋するレンズのむこう
見れたのは嬉しいけどやっぱり喋りたい。

あの笑顔が近くで見たい。


だから、探してみることにした。


とは言ってもこの病院は本当に広い。しかも、あたしは捻挫した足だから歩くのはちょっとキツイかも。


それでも、別につらくなかった。


不思議だな、梓に会いたい、と思えばあたしは何でもできるかもしれない。
なんてくだらないこと考えてくすっと笑う。



・・・


・・・


・・・


やっぱり、・・・無理。


病院の中のイスでちょっとだけ休憩をする。


さっきはああ言ったけどやっぱりこの足ではキツイ。


病院の廊下に差し込む光にはオレンジ色が混じっていた。


『今日は諦めよう。』


そう思って、立ち上がったときだった。
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